紳士服大手5社(既製品)の悲しい戦い

ヤフーニュース(配信は時事通信)に次のような記載がありました。
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 「スーツ全品半額」などとうたった広告で、割引条件の表示が不十分で消費者に
誤解を与えたとして、消費者庁は26日、景品表示法違反(有利誤認)で、「洋服の
青山」を展開する青山商事(広島県福山市)など紳士服チェーン5社に再発防止
を 命じる措置命令を出した。  他に命令を受けたのは、コナカ(横浜市)、AOKI(同)、
はるやま商事(岡山市)、 フタタ(福岡市)。  消費者庁によると、5社は2009年末
~10年末にかけ、年末やボーナス期などの セールの際に、「スーツ・コート、
全品半額」などとテレビCMや新聞の折り込みチラ シで宣伝。しかし、実際には
「高額商品は対象外」「チケット持参で1着のみ割引」 などの条件があり、割り引
きされる商品は全体の26~82%しかなかった。 
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ボクは紳士服業界と長く関わってきたので、この5社の内情もけっこう理解できる
つもりです。決して許されることではないですが、業界全体の問題です、これは。

そう、なぜなら大手5社(というか4グループか?)だけで紳士服マーケット全体の
半分以上のシェアを握っている実情があるからです。 (意外と知られていない
この事実。平日の郊外店の駐車場がいつ見てもガラガラで 「ほんとに売れてるの?」
という疑問を持たれている方が多いことを、経験上、 とてもよく知っています。 でも、
紳士服業界で見れば、この4グループでかなり巨大なシェアを誇っている のは間違い
ありません。平均するのはおかしいですが、あえて平均で考えてみる ととても分かり
やすいと思います。それぞれ1社で、業界の10%以上のシェアを 占めているということ
になりますからね。)

なので、この4グループ(5社)に納品する取引先企業も多いわけです。
そして、 そのほとんどが『大量生産による1点当りコストダウン』という手法で競争に
勝ち 残ってきた企業。(さらに補足ですが、中国をはじめとする東南アジア製品も多い
ですが、国内製品もかなり多いのです。実は。)

今となっては一昔前のやり方かも知れませんが、バブル崩壊後の日本で一気に
急成長を遂げ、全国の百貨店から紳士服売場を軒並み奪い取っていって、
アパレル業界の中でも大きな存在になったのがこの『郊外型紳士服店』という 業態。
“時代が生んだ”と言ってもいいかも知れません。彼らと一緒になって 頑張ってきた
製造メーカー(素材メーカーや縫製メーカー)と大手5社は、いわば 運命共同体なのです。

・・・・残念ですね。 『数多くつくり、数多く売らねばならない』という、業態的宿命。
ギリギリ路線を狙うことは、昔からけっこうやってる業界です。
何度も何度も『閉店セール』をやったりとか。 ぜひ解決策を見つけて欲しいと思います。

モノの価値と価格でいえば、かなり高パフォーマンスだと思いますので。
(ボクは、レディースを頑張ることと海外進出・・・しかないと思います。大きくは。
 ユ○クロみたいに頑張ってほしいと思いますね。)

そろそろ来てしまう。でも、時の流れは止まらない。

以前から業界内の親しい方々には話してきたつもりですが、
流行サイクルの速いレディースと違ってメンズはすごく遅いのですが、
それでもやはり世界的な大きな流れはあります。

※こちら参照
 → 大事なのはモノ自体の価値だけじゃない。(ファイルサイズ:265.7KB)

とうとう、来てしまう感じですね。 と言うか、もう来ちゃってるというか。。。
これまでの『ドレス系、エレガンス系』だった流れから
『カジュアル系、スポーツ系』という流れへ。。。

あまりに早くから情報発信し過ぎたら 世論を急かしてしまうことになるので避けてきましたが
ビジネスとして気付きが遅れ、対応が後手後手になるのも 避けねばなりません。
だから、そろそろこの情報の発信頻度を上げます。 もう手を打ち始めないとダメですよ。

潮目は変わってきています。

ユニクロのすごさ・・・

最近、ユニクロの凄さを改めて思い知ることが多い。
こういう時代になると、強さが際立つ。
ますます独走か・・・。 おそるべしファーストリテイリング。

以下は、オフィシャルサイトのIRより。

連結売上高の約8割を占める国内ユニクロ事業の2009年8月期第2四半期累計の
売上高は2,962億円、前年同期比17.0%増収、営業利益は688億円、同36.1%
と大幅な増収増益を達成しました。
直近の予想(1月9日発表)に比べても、売上高で約112億円、営業利益で
約48億円上回ることができました。業績好調の要因は、既存店増収率が前年比
12.9%増と大幅な増収となったことです。
第1四半期に引き続き、第2四半期も積極的な販促活動を展開したことにより、
客数を伸ばすことができました。
具体的には、12月にマイクロフリースルームセット、2月にパーカと去年に
比べてキャンペーンの回数を2回追加しています。・・・・・・

ちなみに、若い女性だけをターゲットにしたショップが先日東京でOPENし
話題になっていたが、その際「実はメンズの売上構成比が50%以上」という
事実を聞いて驚いた。
ま・・・まだまだ伸びる余地があるじゃんっ!!

正直言って、ボクも最近はユニクロ商品の購入が以前より増えている。
出張の時によく買う(笑)。
普段着レベルで言えば、十分にオシャレを楽しめる商品がリリースされている
と思う。近所のスーパーとかコンビニに行くくらいなら、デザインがスリムで
今っぽいカラーで、ちょっとハイネックになっていたり、ちょっとシワ加工が
してあったり・・・全身ユニクロはさすがに厳しいが、1アイテムくらいなら
全然問題なく合わせられちゃう。。。
それが破格なんだから、日本中のヒトがついつい買ってしまうのも納得だ。

ちなみに・・・
過去に、(これはボクの勝手な予想&記憶だが)ユニクロの急成長のおかげで
一時的に自分たちの方向性を見失ったセレクトショップがあった。
御三家と言われるセレクトショップの一角で、唯一の上場企業「UA(ユナイ
テッドアローズ)」だ。
ボクが自分で大好きなストアブランドだっただけに、そのような事態があった
ことをよく覚えている。品揃えが、急に“らしく”なくなっていったのだった。

そのUAだが、最近は衣料品以外とのアライアンスのニュースでよく見かける。
なんと、ケータイやウーロン茶。
“らしさ”があるからタイアップ話が来るのだろうが、
うまく“UAらしさ”を守ってほしい。。と願うばかりなり。

なぜ、アパレル関連業界は平均年収が高くないのか?

アパレル業界全体的に給与水準は低い。
年収1000万プレーヤーなど、ほとんど聞いたことがない。

が、金融やマスコミ、商社などの人気業種をはじめ、 コンサルティング業界や
IT業界などではさほど珍しくはない給与額。

なぜ、アパレル業界ではそうなのか???
労働時間やハードさでは、他の業界に負けないくらい頑張っているのに。。。

ボクは、この難しい問題の一つの答を知っています。
(いやー、しっかし今日はかなりアブナイ問題発言ブログだなぁ。。。(笑))

端的に言えば、アパレル業界では「1000万円くらいの年収をもらおう!」とか
「1000万円くらいの年収を、ぜひ部下に払いたい!」とか、
そういうことを必死で考えて働いてる人が少ない業界だからです。
(うわっ、言うてしもた。。。)

前述の金融とかマスコミなどの人気業種で働く方々も、全員がすんごく優秀な
訳ではないし、みんな高額の年収なわけでもない。修業中はフツーの年収です。
(たぶん)
でも、彼らは自分が勤務する会社の数字や状況を冷静に分析して、
「具体的にどうすれば、どのくらいの貢献として会社から認められるか」とか、
「自分がこう動くことで、会社にこんなメリットを与えられる!」とか、
そういうことを数字を交えてしっかりと考えている。こういう人間が多いのです。
だから、全体的に、1人1人の生産性(利益を生み出す効率)が高いのです。

『ビジネス』は奥が深いです。が、シンプルに言えば需要と供給しかありません。
供給過剰な世の中なのだから、需要が多様化するのは当然の流れ。
1人1人にまったく違う需要が存在する。=[個別性]
でも、人間は群れる生き物だから同様の需要でいい場合も多い。=[トレンド]
このバランスを見て、ビジネスを続けていくしかありません。

需要には[必需品(無いと困るもの)]と[ウオンツ品(欲しいもの)]がある。
必需品は値段競争だから、狙うべきはウオンツ。
(※ちなみにスーツスタイルは、限りなく必需品に近い存在)

でも、ウオンツには“適時性”がいります。今の世の中はファッション以外も
ウオンツ狙いばかり(ケータイは完全にそういう商品。そんなに頻繁に新機種に
変更する必要あるかなぁ!?)。

タイミングが違ったり、価格帯が違ったりしたら消費には至らないのです。
お客は待ってくれない。その瞬間、その瞬間で、素早く、賢く判断しながら、
消費経験を重ねていく。。。そんなものでしょう。

そう、“スピード”が大事なんです。
このままでは、ユニクロだけが大勝利しちゃいまっせーーーーっ!!!
というメッセージを、アパレル業界で頑張ってる大勢の方々に贈りたい。

そう、ユニクロは素晴らしい企業だと思うんです。
現時点においては間違いないです。
意外とまだまだ業界内では否定的に見てる人が多いのですが。
景気減退だから彼らにとってはますますチャンス拡大だし。
セオリーもジルも手に入れて、まだバーニーズを狙っているとかいないとか。
否定しない。正しいです。年収1000万円のスーパー店長制もやってます。
『世界というフィールドで勝ちに行く!』っていう目標に対して
本気の本気だからこそ、最終的には本気のプロフェッショナルが集まって
最高レベルのビジネスへとピッカピカに磨きこまれていく。。。
 すべて、めちゃめちゃ正しいじゃないですか。

国内でオレの品の方がいいとか、どーのこーのと言っている場合じゃありません。
国内市場が弱くなれば、人口10倍、つまり市場規模もほぼ10倍の中国アパレルが
一気に津波のように日本へと攻めてくるだけです。最新の機械設備を使って、
最新のトレンドや最高品質を低価格にして、ガンガン出店する元気もあって、
インターネット技術も最先端で・・・。
このまま進むと必ず来るであろう未来予想図です。

ここ1~2年のことだけを言っているのも、いきなり10年先しか見ていないのも、
どれも正しくありません。

さてさて・・・・・・、長くなってきたので、最後に、ボクからの提言です。
こうすれば、日本のメンズ衣料が世界の主導権を握れる可能性が出てきます。

メンズのモノづくりメンバーが総力を結集して、
『プリウス』的発明をめざすのです!!!
“パラダイム・シフト”を起こし、チャンスを掴みましょうっ!!!!!

(しっかし今日は問題発言だな。。。ま、いいや本気だし!命賭けだし!!)
もし、何らかのご賛同がいただける方は、ぜひお気軽にご連絡ください。
頼もしい仲間(基本的に業界内外でご活躍中の経営者、経営幹部)もいます。

ぜひっ!!!   あなたからのご連絡を、お待ちしております!